[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「私はエレーヌが私に「手をかける」ことを望んだ、あるいは私との関係で去勢不安を招く母親さながらの行動をとろうとしたという印象を一度も受けたことがない。」(『未来は長く続く』ルイ・アルチュセール 宮林寛訳 河出書房新社)
2002年の冬、一冊の本が出た。アルチュセールという人の自伝です。
この人は哲学者でした。マルクスが廃れてしまったときに構造主義という方法を使って現代風に解釈をした人です。または、「手にかける」印象を受けなかったにもかかわらず、手にかけてしまった、つまりは妻殺しの狂人であるところの人物でもあります。なんと複雑で理解不可能な行動なのでしょう。読んでいても彼が妻を殺す必要があるとはまったく思えないのです。
薄い本ではないのですが、思想書というか、心理サスペンスものなのかもしれない。
精神病院にいる哲学者! このなんとも甘美な設定! 小説ではなく事実として語られるこの設定に興奮を覚えないといえば嘘になるでしょう。
さんざん持ち歩いていたのでカバーは歪み、汚れていますがまた読まなければいけない一冊なのです。重いけれどもね。
と、こんなことを突然書き出したのは本日、予備知識無くなぜか買ってしまった漫画を読んでいてふと思ったことがあるからなのだ。
『宙のまにまに』柏原麻実 講談社
7年ぶりに戻ってきた町で、主人公の朔くん(高校一年生)には幼馴染がいた。美里というひとつ年上の女の子です。しかし、朔くんにとってはそれは天敵として認識されているものなのでした。部屋で静かに本を読むのが好きなインドア少年だった朔くんと違い、美里さんはアウトドア派&天文好きだったのです。人質(本)をとられて日々大自然かつ夜も大自然へと連れ出された朔くんは大迷惑だったわけです。
高校でやはり美里さんと再会してしまった朔くんは天文部へと入らせられてしまったのです。つづく・・・。
と、まあ、そんなことはどうでもよろしい。
どこで読んだか忘れたが、最近は「本」というものが小道具のひとつになっているようだ。特にこういった漫画や映像作品では顕著なのだ。本を読んでいる=理解できないことをしている=不思議ちゃん、といった構図ができているのだそうだ。本は不思議ちゃんが持っているべき道具である。と、いうのだ。
この説を聞くに、そうかもしれないぞ、と思う節があるのである。
本来知っているべき知識、それを人は「教養」と言ってきたわけであるが、それは現在はもはや無いのかもしれない。今や、本など読まなくても楽しいのだ。ゲーム、テレビ、映画、音楽、ケータイ(ポケベルもね)と楽しいものはいっぱいあるのだから、いまさら本なんて持ち出されても読まないのである。本なんてなんかよく分からないことが長ったらしく書いてあってつまんなーいのである。
こういった状況になると、なんであいつ(あの子)はあんなわけの分からないことが書いてある「本」とかいうものを読むなんていう特殊なことをやっているんだろうか? という疑問がわいてくるのである。読書=奇怪と映るのである。
そんなことをやっているやつは不思議ちゃんに違いない! と、そうなるわけだ。無理解とは怖いものです。
たぶん、そういう風に考える人━━少なくともそう考えようとする人(製作者)━━は本を読んでいる人がなにやら難しいものを読んでいるのだと思っているに違いないのだが、本なんて難しいことが書いているわけではない(一部を除く)。人が読んで理解できるように書いてあるのが本なのだから(一部を除く)。
電車で本を開いているきれいなOLさんが、ルーン文字で書かれた怪しげなゴート呪術の実践書を読んでいる確率は1%未満というか、ほぼゼロであるわけだ。エアコンで揺れる頭髪が気になる恰幅のよいサラリーマンの読んでいる本が、昭和初期のある邸宅を舞台にした衒学的な探偵が永遠と不要な知識を広げる猟奇的推理小説である確率も1%に満たないだろう。
だから、心配しなくてもよいのだ。本を読んでいる人のほぼ全員は反社会的な傾向ではない内容のものを読んでいるだけなのだ。彼らは不思議ちゃんではない。 ※一部の人たちはなにやら怪しいものも読んでいるかもしれないが、それは本を読まない人の中にも、なにやら危険な雰囲気の人がいるのと同じことだろう。
だから、本を持っている人を見かけてもいじめないでね (>_<)
鳥と言葉は一緒なのです、と江森国友は教えてくれたわけなのです。
今日は映画を観にいってきました。
『ぜんぶ、フィデルのせい』 ジュリー・カヴラス
父の姉がフランコ支配下のスペインから逃げてきた! アンナはミッション系の学校に通うちょっと生意気な少女。弁護士だった父親がキョーサンシュギシャっていうのになってしまったらしく、宗教の授業を受けてはいけないといわれて大憤慨! いつの間にか弁護士から活動家になってしまった父親。一家は住んでた庭付きの広い家から狭いアパートへ引越す。そのアパートには髭を生やした活動家のひとが夜な夜な集まってくる。アンナは生活の変わりように反発したり混乱したりするっていう映画。
アンナの目を通して共産主義に対する痛烈な皮肉もあったりして楽しい。
面白かったので、ついつい『告白』コスタ・カヴラスを新宿TUTAYAでレンタルしてしまいました。コスタ・ガヴラスはユーモアがない(直線的な意味ではね)けど、ジュリー・カヴラスはユーモアを取り入れることを良しとしているようです。
『歌』 松田奈緒子 扶桑社
近代日本文学を華々しく飾る中原中也、芥川龍之介(葱とか)などの漫画を収めた短編集。短編漫画であるゆえに若干の物足りなさを感じる内容である。やはり、中原中也の漫画といえば『含羞』曽根冨美子であろう。
『瑠璃の方舟』 海埜ゆうこ漫画 夢枕獏原作 集英社
夢枕獏の自伝的漫画。作家を志す青年の葛藤が熱い。
この手の漫画の嚆矢ともいえる『まんが道』を読んでいるのと等しいこの熱さは何だろう。自分も何かしなければならないと思えてくるではないか。
そんなわけで最近は買うものを絞っています。無駄なものは買わないぞ!
でも結局散在しちゃうのはなぜだろう、的がいっぱいあるから絞っても絞っても無駄ってこと!?
『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』 鈴木雅雄 平凡社
私はどちらかといえば、フランス文学が好きな方な人間である。英語圏の文学もそれはそれで面白いのではあるが、フランス文学の薄暗い感じがとってもすきなのである。これは民族性の差なのだろうか、それとも紹介者の趣向に偏りがあるだけなのか。よくは分からない。
さて、この本は昨年12月頃に刊行になった。案外図版が多くてぺらぺらしているだけでも幸せになれます。シュルレアリスムという活動についての評論みたい。鈴木雅雄というシュルレアリスム研究の先生が書いているのです。なんだかわくわくする本です。
『CODE VERSION2.0』 ローレンス・レッシグ 山形浩生訳 翔泳社
インターネットを使う人にとってはなんか読まなくちゃならないんじゃないかって思われる本。ぱらぱらめくるとベンサムとかオーウェルとか出てきてなんかとってもサイバーパンクかつ功利主義的な感じ? 僕たちはネット空間で法律をどのように考えていかねばならないのかっていうことの指標になるかもしれないぞ!
あと、今読んでいる本の中で面白いのはこれだ!
『英詩のわかり方』 阿部公彦 研究社
ゆるーい言葉で難しげな英語の詩の話をしてくれるぞ! 詩のわかり方って書いてあるのに初っ端に自分でもよく分からないとか書いちゃっているところが素敵。全部分かるぜ! なんて書かれてたらかえって怪しいものね~。
ワーズワースのよさがまったく理解できなかったのがどうしてなのか分かったような気がします。ロマン派の詩人ってやっぱりなんかやたらハイテンションで怖いんだなー。
英詩が「分かる」のではなくて(英)詩の「わかり方」が分かる本のようですよ。詩への敷居を低くしてくれるという素敵な本なのでみんなで読もう! そして詩集を買おう!
スーツでも買おうかと思ったのだが、気に入ったものがないのがないのでパス。代わりに欲しい本やDVDを買ってきてしまいました。
あと一冊、写真に写っていない画集も買ってしまったのですが、撮り忘れたのでなかったことにしておきます。
左上から『トーキングヘッズ叢書26アヴァンギャルド1920』
THのアヴァンギャルド特集。「アヴァンギャルド年代記」(沙月樹京)の斜に構えたコメントが笑いを誘う。「ドキ!ファシストだらけの未来派宣言!?★乱闘もあるよ」(名栗石)は未来派=ロボットオタクと公式化。「二十世紀初頭、海外で旋風を巻き起こした日本人女性ダンサー―貞奴、天勝、徳子」に当時のアイドル松旭斎天勝の写真が入ってますぜ。どっかで見たことがあるようなきがするが……。
そう言えば、来年は「未来派宣言」フィガロ掲載100年なんですねー。マリネッティのようなことをする人間が現れないか心配です。くれぐれも日経新聞に妙な宣言を載せないようにしましょう。
その隣りは『ピュア・トランス』(水野純子)ですね。知っている人は各々の頭の中を内容を参照してください。書いてはいけないような気がします。関連名詞:お薬、○○実験、○○○、×××……。
その隣りはDVD『メトロポリス』(フリッツ・ラング)、そして『巨人ゴーレム』(パウル・ヴェゲナー)ですね。500円でした。安いのを見つけたら買っておかないとね。
左下『トーキングヘッズ叢書32幻想少女わ・た・しの国のアリス』です。「ベティ・ペイジ」が映画化ということでここは観に行かなければならないんだけどこの師走ナムサン時間があるのかしらん? 公式ページはこちら。http://www.bettiepage.jp/
他の内容は……ルイス・キャロル的な特集てんこ盛りです。戸川純、大島弓子からニコニコ動画まで幅広い。まあ、普通の雑誌です、多分……。
※ニコニコ動画とはインターネットのサービスのひとつ。投稿された動画に対して鑑賞者がテロップ(映画でいう字幕のようなもの)をつけることが出来る。投稿された動画に対して直接的に関与できるシステムが受けており、広告メディアとしても注目を受けている。ニコニコ動画発のヒット商品としては初音ミク(パソコンソフト。自作の歌を架空のアイドル初音ミクが歌ってくれる。その第三弾、鏡音リン・レンが発売予定)、アイドルマスター(Xboxのゲームソフト。アイドルを育てるような感じの内容で、はやっているらしい)などがある。
『マルクウ兵器始末』(湊谷夢吉)。まあ、その方面の人はご存じかと思いますが、いわゆる軍事漫画って言うわけです。湊谷夢吉の漫画で空爆の照準のつけかたとか知りましたね、その昔。
その隣、『紅龍異聞』も同様ですね。『マルクウ』の方は絶版らしいですね。需要ないだろうし。昭和の香りがします。
『猟奇刑事マルサイ』(大越孝太郎)は、まあ、そう言うことです。久しぶりに新刊出ましたね。タイトルそのまんまの内容です。
うーん、中野らしいお買い物でございました。
全国1万人くらいの中村光ファンのみなさまこんばんは。
ようやく第6巻が出ましたね。
このマンガの概略を書きますと、
貸しを作ると発作が起きる主人公通称「リク」は、荒川の河川敷に住むことになった(第1巻参照)。
そこにはとてもユニークで、ユニークすぎて大○脈弁狭窄症気味な方はショックで危険かも知れない人々?が住んでおりました。自称元アイドルの「星」や村長の「河童」や超能力者らしい「鉄人兄弟」、愛妻家の白線職人「シロ」、元傭兵の「シスター」、ケンシ○ウ化する「ステラ」、綺麗なお姉さんサディスト「マリア」、菜園オーナー「P子」、渋いオウムの「ビリー」、三万人の子を持つ「ジャックリーン」、リクの変態秘書「高井」など。電波系のお友達と共に過ごす河川敷ライフのマンガである。リクには金星人「ニノ」という恋人がいるが、ヒロインにあるまじきことに特技は魚捕り(手づかみ)である。
リクとニノと星、河童を中心として電波な感じで物語は進んでいく。
登場人物のほとんどは『中村工房』(中村光 全3巻)に登場していたような気もするが多分気のせいだと思う。
さて、今回も河童がイケメンになったり、星の後頭部が露出したりと節操のないストーリーが混沌のように進んでおります。河童の思いつきではじまる王様ゲームという名のバトルロワイヤルでは、マリアの放つ口だけで人格を崩壊させる攻撃に心和みます。
http://www.nakamurahikaru.com/
以下にぴんと来たら買いです。
一部で人気のあるギャグマンガトップ3
『お父さんは心配性』『ダイナマ伊藤』『神聖モテモテ王国』
以上。